2007年 09月 24日
『厨房で逢いましょう』 |
確かに“官能”ではあったけど、
『EDEN』であり、『Bitter End』でありました
いきなり、鳥の毛を豪快にむしっていくシーンから始まりです。まずはそれにビックリ。異色だなぁ、と思ったけれど、やっぱり最後まで、なんとも言えない雰囲気漂う映画でした。
シェフがつくるお料理は、皿までなめてしまいたくなるほどに官能的な、まさに「楽園」の味。シェフが恋する女性も、その娘も、年配の紳士も、誰もかれもソースまで残すことなく、その名のとおり平らげてしまいます。
その描写たるや、身も蓋もないというか、『パフューム』を連想させます。色彩感覚といい、なんだか妙な生々しさといい。「至福の料理」の割には、食欲をかきたてられないのです。
その理由はその生々しさと色合いだけじゃなくて、女性の無邪気なまでの残酷さと、シェフのはがゆいまでの奥ゆかしさ?と、女性の旦那である男の異常なまでの嫉妬深さなどいろいろ。
映画のはじめに「Bitter End」という言葉が出てくるのだけど、まさにその言葉のとおり。むしろ原題の『EDEN』よりもいい得てる気がします。
誰もがあまりハッピーにはならないけど、ほんの少し最後にほっとするのがせめてもの救い。
観終わったあとは、はぁ~…とため息が出てしまう感じの映画。
だからって、別に悪い映画ではなかったのだけどね(苦笑)
by kazemoyodays
| 2007-09-24 22:35
| movies