2007年 10月 28日
『北極のナヌー』 |
巣穴から出てきてから、母になるまでの
約8年間を追ったドキュメンタリー『北極のナヌー』
さすが、世界のナショナル・ジオグラフィック社制作だけあって、雪と氷の世界に住む様々な動物たちが、生き生きと撮影されています。
シロクマのナヌーだけではなく、ナヌーと同時期に生まれたセイウチのシーラの成長も、温かい目で、でも介入することなく、見つめ続けられてます。
単なる成長記録ではなく、彼女たちの成長を通して、地球温暖化による北極消滅の危機を訴えかけている良作。ぜひ、小さいお子さんにも見ていただきたい作品。
決して小難しく描いているわけではなく、ナヌーやシーラと一緒にドキドキしたり、ほっとしたり、悲しくなったり。シロクマやセイウチにも、人と同じように愛する気持ちを持っていることが、切ないくらいに伝わってきて。
弱いナヌーの弟を暖めるしぐさ、残していかなければいけない悲しさと厳しさ。シーラを大事そうに抱きしめるセイウチの母親。シーラの代わりに犠牲になってしまう、子守役のおばさん。
エンディングでは、温かく、厳しく、淡々と撮影し続けたクルーの様子が映し出されます。ほんとうに近くで撮影していたこと、寒く冷たい海に潜って撮影したこと。本編だけでなく、そのエンディングにも感動します。
自然界を生き延びていけるのは、ほんの一握り。彼らなりの知恵と機転と、経験と勇気で必死に生きています。それらを奪う権利は、私たち人間には何ひとつない。
地球上にある多くの命が、これから何百年後も紡がれていくよう、願うとともに、私たちにできることを考えて実行していくことをやめてはいけないんだ、と思います。
by kazemoyodays
| 2007-10-28 23:42
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