2008年 01月 12日
『アース』 |
映画館での予告を観て、そのダイナミックさに圧倒されて観に行くことを決めた『アース』
ほんとにどうやって撮影したんだろう?という映像が次から次へと。上空、地上、山、海、宇宙。あらゆる角度と視点から撮られた映像に目が釘付け。昔の「野生の王国」という番組のように、何も足さない、何も引かない、ありのままの地球と動物たちの姿に感嘆するばかり。
『ナヌー』のように、動物をメインにしたものではなく、あくまで主役は「地球」。だからこそ、ミクロの美しさと引きの美しさがそれぞれ際立ってくる。地球環境の危機が叫ばれる中、いかに自然が破壊されているか…の観点からだけでなく、いかにこの地球が美しいか…を魅せてくれるこの映画は、一見の価値があります。だからこそ、この映画が訴えてくるものは大事なこと。
海を泳ぐ白くま、アフリカ大陸を何千キロも移動する象、狩をする豹、逃げる鹿、子を守るセイウチ、雪山を歩くアムール豹、求愛のダンスをするゴクラクチョウ、オットセイを飲み込むホウジロザメ、ヒマラヤを渡る鳥。
動物たちだけじゃありません。四季でうつろいゆく山々、ツンドラの森、緑豊かなジャングル、崩れゆく氷山、豪快に流れ落ちる滝、南極の色美しいオーロラ、広がりゆく砂漠。
23.5度傾いた地球にもたらされた、たくさんの命という奇跡。これらの美しいけれど、破壊にさらされゆく奇跡の命たちを守るために、私たちができること。
それは決して、命を愛でるだけではいけないということ。確かに一筋の乱れもない砂漠の砂山は美しくもあるけれど、そこで生きることができる生物はごくわずか。命があってこそ、本当に地球は輝くのだ、ということを忘れてはいけないのです。
動物たちは生きるか死ぬかの瀬戸際をいつも懸命に生きている。
私たち人間の多く、特に先進国で暮らしている私たちは、ある程度の安全を保障された生活をしています。人間関係の軋轢や、日々の生活といったものに追われて、神経をすり減らすこともあるでしょう。その生活の営みも個々人にとって、瑣末ということはないけれど、やっぱり美しい地球があるからこそ、成り立っているものだということを意識していくべきなんです。
そしてこの地球を壊しているのは、主に先進国で暮らしている私たち。
動物たちが与えられた環境下で必死に生きている姿こそを見習って、私たちも自分たちに与えられた知恵と知識と、そして感情を最大限に生かして地球を守るために日々、過ごしていかなくては。それが私たち人間の役目なんじゃないかと。
DVDが出たら購入して、何度も観たい映画です。そしてそのたびに、私たちができること、しなければならないこと、意識していくべきものを考えていきたい。そしてなにより、地球の声に耳を傾けることができるように、地球を大事と思えるように、自分のためではなく、これからの未来のために考えて行動できる、繊細で大胆な人になりたいと思うのでした。
by kazemoyodays
| 2008-01-12 22:37
| movies