2007年 05月 26日
『バベル』 |
どれを観るか迷って『バベル』にしてきたけど…。
正直なところ、何が言いたい映画なのか理解に苦しみました。
どうしてタイトルが『バベル』なのか…。
1つの事象がいろいろなところに波及する、何かが、誰かがどこかで繋がっているという面から見れば、『CRASH』に手法は似ているし、個人的にはCRASHのほうが含蓄が深かったように思います。
それぞれに起こることから考えさせられるものは、確かに、ある。
生活の糧を守るはずのものが、子どもの犯罪を引き起こす。
息子の結婚式に出席するために選んだことが全てを失わせる。
母親の死、自分自身の体に心に傷を負った、ろうあの少女。
それぞれのエピソードやシーンは印象的で、単独で取り出してもストーリーがある。
でも、なぜバベルなんだろう。
どうして連鎖させてまで繋げる必要があったのだろう。
そもそも「バベル」とは、天まで届くバベルの塔を建てようとした人々の驕りから、神がお互いの言葉を通じさせなくしたことを意味する言葉。
確かに彼らは別々の言葉で話す。伝えたいことをうまく伝えられない、誤解される、ゆえに心を通い合わせることができないこともある。
バベルの根底には、人間の驕り・愚かさ・醜さが潜んでいる。まるでパンドラの箱の逆バージョンのように。世界は愚かさと偏見と悪意に満ちている。だけど、本当はそんな世界のさらに小さな世界には、お互いを理解したいという気持ちにもあふれている・・・。
だけど映画から最終的な伝えたい意図を明確には汲み取ることができませんでした。
そんな中にも何かを得ようと、いろいろ考えながら観ていたけれど、終わってみたら疲れただけ…。必死に考えるのではなく、自然と考えさせられる映画であってほしかったなぁ。残念です。
私の度量?が狭いだけかもしれないんだけど(苦笑)
by kazemoyodays
| 2007-05-26 21:04
| movies